兄に取り込まれた老親から遺留分の放棄を求められたものの、遺留分放棄の条件として相応の金銭をもらうことができた遺産相続の解決事例

ご相談

Xさん(40代、女性、会社員)は、兄と同居するY(70代、女性、無職)が、弁護士を付け、遺留分放棄の条件として、すでにXさんに金銭を生前贈与しているなどとして、遺留分の放棄を求める手紙を受け取り、ご自身だけで対応することを不安に思い、当事務所を訪れました。

Xさんは、たしかにYから生前贈与を受けていましたが、それは遺留分放棄の条件ではなく、遺留分放棄の条件として、別途金銭を受け取りたいと考えていました。

当事務所の活動

当事務所がYの弁護士と交渉したところ、Y側は、すでにXさんに相当の援助をしていることから、それが特別受益(※)に当たり、Yの死後に、Xさんが兄に対し遺留分侵害額を請求しても、支払うものはない、との主張でした。

特別受益とは、相続人が生前に被相続人から受ける特別の利益のことであり、その額によっては、遺留分侵害額がゼロとなることがあるものです。

当事務所は、かりにそうであるとしても、遺留分の放棄はXさんの自由であること、Xさんが遺留分を放棄しない限り、Yの死後に遺留分をめぐり兄と争うことは避けられないことをお伝えしました。

そして、Xさんとしては、現時点で相当額の金銭の贈与を受ければ遺留分放棄手続をするとお伝えし、遺留分放棄の条件としての金銭の受領を促しました。

当事務所の活動の結果

その結果、Yが相応額の金銭を支払うことを条件に、Xさんが裁判所で遺留分を放棄するとの合意書を調印し、相応額の金銭を受領するとともに、遺留分放棄手続も代理しました。

Xさんは、Yや兄と泥沼の争いになりそうなところを、きちんと合意書を調印のうえ、お金を受領して解決を見ることができたことから、ほっとしておられる様子でした。

解決のポイント

生前の遺留分放棄については、遺留分権利者の申立てによる裁判所の許可が必要です。

また、生前の援助が特別受益に当たるとしても、被相続人の死後、まさにその有無や額をめぐって、遺留分の争いは避けられません。

当事務所は、Y側との交渉の中で、そうした点を指摘し、合意を図ることで、しかるべき金銭を受領しつつ、死後の遺留分をめぐる争いを防ぐことができました。

遺留分放棄をめぐる争いの陰には、被相続人を取り込むごきょうだいがいることが多いものです。

遺留分のことでお困りの方は、お気軽に当事務所にご相談ください。お力になれるかもしれません。

ご相談の流れ

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
東京大学卒。姫路で家事事件に注力10年以上。神戸家庭裁判所姫路支部家事調停委員。FP1級。

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