不動産や非上場株式の評価は遺産分割や遺留分でどのように決めるのか?
最終更新日 2024年9月16日
- 不動産や非上場株式の評価がわからない
- 不動産や非上場株式を遺産分割や遺留分でどのように決めるのか?
ここでは、不動産や株式の評価を、遺産分割や遺留分において、どのように決めるのかについて知ることができます。
不動産や非上場株式は評価が問題となる
預貯金は、ある日の残高がはっきりしています。
また、株式でも上場株式であれば、ある日の終値がはっきりしています。
ですが、非上場株式については、証券取引所で取引されていないので、評価がはっきりしません。
また、不動産(土地、建物)についても、固定資産評価額、相続税評価額、公示地価など、さまざまな評価額があり、どのように評価べきかわかりにくいところです。
いつの時点の評価か?
そもそも、遺産分割や遺留分において、不動産や株式は、いつの時点の評価を使うのでしょうか?
遺産分割においては、現在時の評価を使います(但し、特別受益が問題となる場合は、相続開始時(死亡時)の評価も問題となります。)
他方、遺留分においては、相続開始時(死亡時)の評価を使います。
評価方法
次に、どのように評価すればよいかが問題となりますが、遺産分割や遺留分の場合、相続税の申告とは異なり、次のようになります。
まずは話し合い
そうした遺産をどのように評価したらよいか頭を悩ませ、相談に訪れる方が多いようです。
しかし、実はそれほど難しい問題ではなく、評価額について、当事者の話し合い(協議)により合意ができれば、それによることになります。
話し合いに当たり、非上場株式であれば、会社法上の株式買取請求における価格の算定や税務上の評価の基準である財産評価基本通達などを参考にします。
土地であれば、公示価格、相続税評価額、固定資産税評価額、不動産会社の査定額などを参考にします。
建物であれば、相続税評価額、固定資産税評価額、不動産会社の査定額などを参考にします。
協議だけでなく、調停においても、まずは話し合いによって評価を決めようとします。
話し合いで合意できない場合
では、評価について、話し合いで合意できない場合は、どうなるのでしょうか。
究極的には、不動産については、不動産鑑定士による鑑定が、株式については、公認会計士による評価が必要となります。
ただ、実際のところは、公認会計士や不動産鑑定士による鑑定評価まで行わないことがほとんどです。
というのも、公認会計士や不動産鑑定士に鑑定を依頼すると、数十万円の費用がかかるのが通常であり、誰がそのお金を負担するのかについて合意を見ないことが多いですし、そのお金をかけるくらいであれば、不動産会社の無料査定で安く上げようとするからです。
まとめ
結局、非上場株式や不動産の評価額は、専門家の鑑定ではなく、当事者の話し合い(協議)で決まりますので、会計帳簿や不動産会社の査定や固定資産税評価額などをもとに、どれだけ説得的に協議できるかが大切です。
当事務所は、1級FP、宅地建物取引士が在籍するとともに、公認会計士、不動産鑑定士と協力関係にありますので、非上場株式や不動産の評価に関する協議においてきっとお役に立てることと思います。
最終更新日 2024年9月16日