遺産相続に必要な書類は?手続き別にわかりやすく解説!

相続必要な書類

両親や親族が他界した後は、遺産相続に関する処理を行わなければなりません。

相続する財産には金銭や不動産、自動車などが含まれており、相続のためには様々な書類が必要になります。

本記事では、はじめに共通する書類について解説した上で、各財産の種類(提出機関)ごとに必要な書類について解説していきます。

遺産手続きに必要な書類

相続が開始すると、相続人名義への変更手続きを行うためにさまざま書類を用意することになります。

親族が亡くなった後はやらなければならないことが多く、書類を集めることも大変な作業です。

各提出機関によって必要書類は異なりますが、共通するものもあるため、まずは共通する書類を用意しましょう。

1.  被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本は、被相続人の相続人を特定するために必要です。

戸籍は出生の際に親などが戸主となっている本籍に入り、その後は戸主の転籍、本人の婚姻や離婚、法律改正による様式変更などにより新たな戸籍が作られます。

そのため、何回も転籍している方などはすべてを集めるのにはそれなりの時間がかかります。

戸籍は本籍地を管轄する市区町村役場に請求して収集します。

遠方の場合は郵送による請求ができ、郵送請求をする場合は「郵便小為替」「返信用封筒」「本人確認書面のコピー」が必要です。

2.  相続人全員の現在の戸籍謄本

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本により、被相続人の配偶者や子供の存在を証明することができます。

しかし、相続人が被相続人よりも長生きしていることを証明しなければ、相続人であることを証明できません。

そこで、相続人全員の現在の戸籍謄本を集めることにより証明することができます。

3.  遺産分割協議書+印鑑証明書

法定相続分ではない割合で相続するための話し合いを遺産分割協議といい、この遺産分割協議の結果に基づいて手続きをするためには、遺産分割協議書の作成が必要です。

遺産分割協議書には、相続人全員が実印で押印し、印鑑証明書をセットで用意しなければなりません。

参考:民法第907条

共同相続人は、被相続人が遺言で禁じた場合又は分割をしない旨の契約をした場合を除き、いつでも、その協議で、遺産の全部又は一部の分割をすることができる。

遺言書がある場合には、原則として遺言が効力を生じたことを証明すれば良いため、下記の書類があれば足ります。

  • 遺言書(自筆証書遺言の場合は、家庭裁判所による検認手続きをしたもの)
  • 被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本
  • 受遺者の現在戸籍謄本

各財産の名義変更に必要な書類

相続必要な書類2金融機関の名義変更

各財産の名義変更の際には先述の書類だけではなく、各金融機関の所定の様式による「依頼書」を提出しなければなりません。

また、場合によっては運転免許証やマイナンバーカードなど本人確認ができる書面の提示を求められることもあります。

顔写真入りのものがあれば原則としてその1点で足りますが、顔写真入りのものがない場合は、健康保険証+介護保険証など2点以上の提示を求められることもあります。

不動産の名義変更

関係者の戸籍謄本や遺産分割協議書+印鑑証明書だけではなく、被相続人の不動産登記記録(不動産登記簿)や上の住所と死亡時の住所のつながりがわかる「戸籍の附票」または「住民票の除票」が必要です。

不動産登記をした際の住所地から死亡まで2回以上住所を移転している場合は「戸籍の附票」を請求します。

住所移転がないか1回の場合は、「住民票の除票」でもつながりを証明することができます。

  • 不動産を取得する(新しい名義人)の住民票
  • 固定資産評価証明書または固定資産納税通知書

不動産登記の申請には登録免許税の納付を要し、その算定の基となる不動産の評価額を証明します。

「固定資産納税通知書」は、毎年不動産を管轄する管轄市区町村から送られます。

自動車の名義変更

関係者の戸籍謄本や遺産分割協議書+印鑑証明書のほかに、下記の書類が必要です。

  • 車検証
  • 車庫証明

有価証券の名義変更

関係者の戸籍謄本や遺産分割協議書+印鑑証明書のほか、下記の書類を用意します。

  • 各証券会社所定の様式による「名義書換請求書」
  • 証書等

相続税申告に必要な書類

相続必要な書類相続税申告については、ケースにより必要書類が変わり、また相続税に関する専門知識が必要となります。

詳しくは、税務署や税理士に相談されることをおすすめします。

おわりに

本記事では、相続手続きに必要な書類について解説しました。

このように見てきますと、まずは共通のベースとなる書類を用意し、その後に優先順位に従って順番にそろえて手続きしていけば良いことがおわかりいただけたかと思います。

また、先述の処理をたった1枚の公的書類にすることができる制度である、法務局による「法定相続情報証明制度」というものがあります。

法務局にて無料で発行してもらうことができるため、こちらを利用することもおすすめします。

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
東京大学卒。姫路で家事事件に注力10年以上。神戸家庭裁判所姫路支部家事調停委員。FP1級。

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