推定相続人とは?法定相続人との違いや「廃除」の効果について解説

推定相続人とは 法定相続人との違いや「廃除」の効果について解説

最終更新日 2024年6月30日

「推定相続人」とはどのような人のことを言うのでしょうか?

法定相続人との違いや「廃除」によって推定相続人ではなくなるのかについて、これからご説明します。

推定相続人と法定相続人の違い

推定相続人とは、「相続が開始した場合に相続人となるべき者」(民法892条)のことです。

法定相続人の中で最も先順位の者を指します。

人は死亡によって自己の財産に関する一切の権利義務を失いますが、それらの権利義務は民法が定める一定範囲の親族に当然に承継されることになります(民法896条)。

死者の権利義務を承継する一定範囲の親族については、民法が明文で規定していることから「法定相続人」と呼ばれます。

法定相続人は、①配偶者相続人と②血族相続人の二種類に区別することができます。

配偶者相続人は1人だけであり、常に最も先順位の血族相続人と同順位の相続人となります(民法890条)。

これに対し、血族相続人には優先順位があり、先順位の血族相続人が誰もいないときに初めて次順位の血族相続人が相続人となります(民法889条)。

血族相続人の優先順位は、第1位が子とその代襲相続人(民法887条)、第2位が直系尊属、第3位が兄弟姉妹とその代襲相続人になります(民法889条)。

したがって、推定相続人(法定相続人の中で最も先順位の者)とは、具体的には、配偶者と血族相続人のうち最も先順位の者のことになります。

推定相続人でなくなるとき

推定相続人とは 法定相続人との違いや「廃除」の効果について解説2血族相続人が推定相続人であるためには、法定相続人のうち最も先順位の者でなければなりません。

そのため、先順位の相続人が出現したり(例えば、子がいないと思っていたら、遺言で認知した子が出現したときの死者の親)、相続欠格や廃除によって相続人となることができる資格を失ったりしたときは、推定相続人ではなくなります(相続欠格や廃除によって相続権を失った推定相続人に直系卑属がいるときは、相続権を失った推定相続人に代わって同一順位で相続人となり、相続権を失った推定相続人が受けるはずだった相続分を承継することになりますが、これを「代襲相続」といいます)。

相続欠格とは

相続欠格と廃除は、どちらも推定相続人から相続権を剥奪する制度になります。

このうち、被相続人の意思とは無関係に発生するものが相続欠格、被相続人の意思に基づいて発生するものが廃除になります。

民法891条が規定する欠格事由(全部で5つ)は、次のとおりです。

① 故意に被相続人又は相続について先順位若しくは同順位にある者を死亡するに至らせ、又は至らせようとしたために、刑に処せられた者

② 被相続人の殺害されたことを知って、これを告発せず、又は告訴しなかった者。

ただし、その者に是非の弁別がないとき、又は殺害者が自己の配偶者若しくは直系血族であったときは、この限りでない。

③ 詐欺又は強迫によって、被相続人が相続に関する遺言をし、撤回し、取り消し、又は変更することを妨げた者

④ 詐欺又は強迫によって、被相続人に相続に関する遺言をさせ、撤回させ、取り消させ、又は変更させた者

⑤ 相続に関する被相続人の遺言書を偽造し、変造し、破棄し、又は隠匿した者

欠格事由は制限列挙ですので、欠格事由と同視し得るような重大な非行(被相続人などの生命を侵害したり遺言を妨害したりする行為)があったとしても欠格事由とはなりません。

廃除とは

推定相続人とは 法定相続人との違いや「廃除」の効果について解説3廃除とは、遺留分を有する推定相続人が被相続人に対し、虐待、重大な侮辱、その他の著しい非行をしたとき、家庭裁判所の調停や審判によってその相続権を剥奪する制度のことです(民法892条、893条)。

民法が定める5つのケースに限定され、法律上当然に相続権が剥奪される相続欠格に対し、廃除にはそのような限定がなく、被相続人の申立てや遺言によって相続権が剥奪されることになります。

また、相続欠格と廃除では、相続権が失われる時期も異なります。

相続欠格は欠格事由に該当すると直ちに相続権が剥奪されますが、廃除は廃除を認める審判の確定を待つ必要があります(相続欠格や廃除が相続開始後に発生したとしても、それらの効果は相続開始時にさかのぼって発生します)。

なお、廃除の対象者は「遺留分を有する推定相続人」に限られるので、遺留分がない兄弟姉妹を廃除することはできません。

なぜなら、兄弟姉妹には遺留分がないため、被相続人が兄弟姉妹に相続財産を与えたくなければ遺言によって特定の兄弟姉妹を除外すればよいだけだからです(子には遺留分があり、遺言によっても排除することができないことから、「廃除」という制度が設けられています)。

まとめ

特定の親族に遺産を相続させたいときは遺言をすればよいのですが、遺留分を有する推定相続人がいて、遺言が遺留分を侵害するときには、遺言は遺留分を侵害する限度で効力を失うため、遺留分を有する推定相続人に遺産を相続させたくないときには「廃除」を利用することになります。

廃除を含む相続についてお困りのときは、当事務所までお気軽にご相談ください。

「まずは相談だけ受けてみて、依頼するかどうかは家族と話し合って決めたい」ということでも構いません。

ご連絡をお待ちしています。

最終更新日 2024年6月30日

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
東京大学経済学部卒。姫路で家事事件に注力10年以上。神戸家庭裁判所姫路支部家事調停委員。FP1級。

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