離婚後に相続権がある人は?子どもと再婚相手は相続できる
最終更新日 2024年6月30日
夫婦が離婚を決意し、それぞれの人生を歩む際に、元夫や元妻との財産分与が気になる方もいらっしゃるかと思います。
元夫婦間には遺産の相続権はあるのか、また相続権を持つのは誰なのでしょうか。
本記事では、離婚後に相続権がある人は誰なのか、子どもや再婚相手は相続できるのかについてご説明します。
離婚した両親の子どもは相続できる
日本の法律のうち、国民の生活に関係する権利義務や身分関係、相続関係を規定した法典を「民法」といいます。
この民法の相続に関する章で、相続関係や相続分が規定されています。
配偶者は必ず相続人となり、子どもがいれば配偶者と子ども以外に相続人になる人はいません。
子どもがいない場合、亡くなられた方(被相続人)の親や、既に親が他界している場合は、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。
法律上、夫婦関係は離婚により消滅しますから、離婚後は相互に相続関係はなくなります。
しかし、親子の身分関係は消滅させる手続きはなく、たとえ両親が離婚したとしても、子どもは父・母が他界した際は相続人となります。
(ただし、養子縁組による親子関係は、離縁により消滅します。)
配偶者は相続できない
前述のとおり、夫婦関係は離婚によって消滅するため離婚した場合には、元配偶者が所有していた財産は一切相続の対象とはなりません。
離婚後に再婚した相手は相続できる
離婚によって夫婦間の相続関係はなくなりますが、別の人と再婚した場合にはどのようになるのでしょうか。
民法には「配偶者は必ず相続人となる」旨が規定されており、この場合の配偶者とは被相続人が他界した時点での配偶者をさします。
つまり、再婚した場合には他界時にその婚姻関係が継続している限り、再婚相手が相続人となります。
では、離婚後に同じ元配偶者同士が再婚した場合はどのようになるでしょうか。
この場合も、他界時に婚姻関係が継続している限り配偶者は相続人になります。
再婚相手との間に生まれた子どもも相続できる
離婚後に再婚して、再婚相手との間に子どもが生まれた場合には、その子も親子関係となるため相続人となります。
このケースでは、前婚で生まれた子と再婚後に生まれた子は、半血の兄弟姉妹となるため、相続の話し合いがまとまらないなどの事例もよく見受けられます。
このようなケースで将来の相続における紛争を避けるためには、生前に遺言(公正証書がおすすめ)を遺しておくのが良いでしょう。
もうひとつ別のケースをみてみましょう。
仮に、AとBが離婚して、BがCと再婚した場合、AとBの子どもであったDは、再婚相手であるCの相続人にはなるのでしょうか。
これは、自分の親であるBがCと再婚したとしても、当然にはCとの親子関係が生じるわけではありません。
親の再婚相手と法律上親子関係を生じさせるためには、養子縁組をする必要があります。
上の例で、CとDが養子縁組をした場合には、DはAの子どもでもあるため、AとCの相続人を兼ねることになります。
このケースでも半血兄弟姉妹となるため、場合によっては遺言の作成を検討しておくことをおすすめします。
おわりに
本記事では、離婚後に相続権がある人は誰なのか、子どもや再婚相手は相続できるのかについてご説明しました。
先述のように、親の離婚に伴い相続関係が変化することがあります。
例えば、一人っ子ならば本来はすべての財産を相続できたものが、両親の離婚・再婚によって自分以外にも相続人ができ、相続分が1/2、1/3などに変化するわけですから、心情的には必ずしもスムーズな相続が実現するとは限りません。
このような将来の相続争いが予想される場合の遺言書作成は、まずお気軽にご相談ください。
また、遺言書もなく実際に紛争に至ってしまった場合の話し合いの解決についてもぜひ一度お問い合わせください。
最終更新日 2024年6月30日