相続放棄の範囲はどこまで続く?孫、直系尊属、親戚も手続が必要?

「相続放棄をしたいが、子や孫に迷惑をかけてしまうのではないか」

「相続人の中に相続放棄をした人がいるが、相続にどのような影響があるのか」

とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは、相続放棄とはどのようなもので、相続放棄をすると誰にどのような影響が及ぶのかについて解説します。

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法定相続人とは

相続放棄の範囲はどこまで続く?孫、直系尊属、親戚も手続が必要?2人は死亡によって自己の財産に関する一切の権利義務を失いますが、それらの権利義務は民法が定める一定範囲の親族(法定相続人)に当然に承継されることになります(民法896条)。

法定相続人は、①配偶者相続人と②血族相続人の二種類に分けることができます。

配偶者相続人は1人だけであり、常に最も先順位の血族相続人と同順位の相続人となります(民法890条)。

これに対し、血族相続人には優先順位があり、先順位の血族相続人が誰もいないときに初めて次順位の血族相続人が相続人となります(民法889条)。

血族相続人の優先順位は、第1位が子とその代襲相続人(民法887条)、第2位が直系尊属、第3位が兄弟姉妹とその代襲相続人になります(民法889条)。

したがって、配偶者と血族相続人のうち最も先順位の者が被相続人の遺産を相続することになります。

相続放棄とは

相続放棄の範囲はどこまで続く?孫、直系尊属、親戚も手続が必要?3前述したとおり、被相続人の相続財産は、民法が定める一定範囲の親族(法定相続人)に当然に承継されることになります。

しかし、法定相続人は、相続放棄をすることで、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。

例えば、被相続人(死者)に妻と3人の子(子A、子B、子C)がいたとします。

このうち子Cが相続放棄をすると、被相続人の相続人は妻と子A、子Bの3人だけだった(子Cは初めから相続人ではなかった)ということになります。

相続放棄をした子Cに子があったとしても(「孫D」とします)、子Cは相続放棄によって初めから相続人ではなかったことになるため、孫Dが子Cに代わって被相続人の遺産を相続する(代襲相続する)ことはできません(孫Dが代襲相続できるのは、子Cが死亡・相続欠格・廃除されたときです)。

このように、子Cが相続放棄をしなければ、被相続人の相続財産は、妻が2分の1、3人の子が6分の1ずつ相続することになります。

これに対し、子Cが相続放棄をしたときは、被相続人の相続財産は、妻が2分の1、子Aと子Bが4分の1ずつ相続することになります。

さらに、子Cに加えて子Bも相続放棄をしたときは、被相続人の相続財産は、妻が2分の1、子Aが2分の1ずつ相続することになります。

そして、3人の子が全て相続放棄をしたときは、被相続人には直系卑属がいなかったものとみなされますので、相続人は被相続人の妻と被相続人の直系尊属になります。

つまり、父か母が生存していれば父か母が配偶者とともに相続人となり、父も母も死亡していれば祖父か祖父母が配偶者とともに相続人となり、というように今度は上にさかのぼっていきます。

例えば、被相続人(死者)に妻と父、母がいたとします。

相続分は、妻が3分の2、父と母が6分の1ずつです。

このうち母が相続放棄をすると、被相続人の相続人は妻と父の2人だけだった(母は初めから相続人ではなかった)ということになり、妻が3分の2、父が3分の1ずつ相続することになります。

そして、父と母が相続放棄をしたときは、被相続人には直系尊属がいなかったものとみなされますので、相続人は被相続人の妻と被相続人の兄弟姉妹になります。

例えば、被相続人(死者)に妻と3人の兄弟姉妹(例えば、兄、姉、弟)がいたとします。

相続分は、妻4分の3、兄・姉・弟が12分の1ずつです。

このうち弟が相続放棄をすると、被相続人の相続人は妻と兄、姉の3人だけだった(弟は初めから相続人ではなかった)ということになり、妻が4分の3、兄・姉が8分の1ずつ相続することになります。

弟に続いて姉も相続放棄をすると、妻が4分の3、兄が4分の1ずつ相続することになります。

そして、兄も相続放棄をすると、法定相続人は妻しかいないことになりますので、妻が全ての相続財産を相続することになります。

まとめ

このように、相続放棄をすると初めから相続人ではなかったことになるため、同順位の血族相続人全てが相続放棄をすると、今度は次順位の血族相続人が相続人となります。

そのため、相続放棄をしたとしても、自分の子や孫に影響することはありません。

相続放棄についてお困りのときは、最寄りの家庭裁判所までご相談ください。

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
開所以来、姫路エリアに密着し、離婚、相続などの家族問題に注力して10年以上。現在、神戸家庭裁判所姫路支部家事調停委員。

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