父の遺産について、仮処分や税務調査を利用し多額の遺産を取得できた遺産相続解決事例

ご相談

Xさん(50代、女性、無職)は、父が死亡後、兄Y(60代、男性、職業不詳)から実印等を持ってくるよう言われ、銀行系の何らかの書類に実印を押してしまいました。

その後、XさんがYに遺産相続の話を持ち掛けると、Yは跡取りは自分であるなどとして、遺産分けを拒否されたため、多くの財産を欲しいわけではないが、相続人の一人である自分が一銭も財産をもらえないのはおかしいと考え、当事務所に相談に来ました。

遺産には、株式等が多数含まれていました。

当事務所の活動、その結果

当事務所は、証券会社や銀行等に照会をかけましたが、ある金融機関は、Xさんが相続人であるにもかかわらず、すでに名義変更がなされているなどの理由で、取引履歴を開示しませんでした。

また、株式等は、Xさんも押印した相続人代表届により、すべてYの口座に移されていました。

そうすると、このまま遺産分割の交渉を行うと、交渉中にYが自己名義の株式等を換金し、遺産分割が困難になるおそれがありました。

そこで、当事務所は、裁判所に、Yの株式等について、Yの処分を禁止する仮処分を申し立てたところ、仮処分命令の発令を得ました。

そのうえで、Yに受任通知して交渉し、株式等の遺産について、Xさんが代償金を取得するとの遺産分割協議書を取り交わすことができました。

それだけでも依頼者は喜んでいました。

ところが、その後しばらく経って、Xさんから連絡があり、税務署による税務調査の結果、未分割の遺産があるので、早急に申告納付するよう求められているとのことでした。

そこで、当事務所は、通知弁護士制度を利用し、Xさんから税務代理権限証書を得て、税務署に出向きました。

そして、未分割の遺産について、税務署に訂正を申し入れるとともに、税務調査の結果について開示を得ました。

当事務所は、その開示資料をもとに、Yと再交渉し、未分割の遺産についても、遺産分割協議を成立させることができました。

Xさんは、結果的にすべての遺産について分割を受けることができ、ほっとした様子でした。

解決のポイント

遺産分割については、漫然と交渉に臨むと、交渉の間に相手方が遺産や自身の固有財産を処分するおそれがあり、遺産分割が困難になったり、遺産分割できても回収が困難になったりすることがあるので、そのような場合には保全を申し立てることが必要です。

とくに本件は、遺産が株式等であり、近時法改正があったことから、どのような保全を申し立てるかについて定説を見ないところでした。

この点、当事務所は、遺産相続に関する豊富なノウハウに基づき、保全命令を得ることに成功することができました。

また、遺産分割後に、税務調査によって、未分割の遺産が発覚することがあり、そうした場合、税務署との折衝も必要になることがあります。

本件では、通知弁護士制度を利用し、税務署と折衝するとともに、税務調査の結果を得て、相手との交渉を有利に進めることができました。

ご相談の流れ

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
東京大学卒。姫路で家事事件に注力10年以上。神戸家庭裁判所姫路支部家事調停委員。FP1級。

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