最終更新日 2022年2月13日
ご相談
Xさん(60代、男性、職業不詳)は、母が死亡し、四十九日明けに、兄Y(70代、男性、職業不詳)と遺産相続の話をしました。
Xさんは、Yに母の通帳を見せるよう求めましたが、Yから「通帳をなくした」などと言われたことから、不審に思い、銀行等から取引履歴の開示を受けたところ、母の生前から死後にかけて、母の預貯金がたびたび引き出されていることがわかりました。
Xさんは、Yから事情を聴こうとしたところ、かえってYから預貯金払戻しのために印鑑を押すよう求められたので、これを拒否したところ、一部のお金を渡されただけで、話になりませんでした。
そこで、Xさんは、Yが取り込んだ母のお金の返還を求めたいと考え、当事務所を訪れました。
当事務所の活動
当事務所が改めて取引履歴を精査したところ、実に数千万円のお金が母の生前から死後にかけて引き出されていること、そうした引出を行ったのは、母と同居していたY又はその妻以外に考えられないことを確認することができました。
当事務所は、Yに受任通知を送り、引出金の使途を尋ねたところ、Yから、一部は母や自分たちの生活費に使い、残りは保管しているとの回答を得ました。
そこで、当事務所は、母の遺産とYが自分の生活費に充てたお金の合計額からXさんがすでに渡されたお金を控除した残りのお金の2分の1を支払うようYに求めました。
さらに、Xさんの遺留分が侵害されている場合に備え、配達証明付き内容証明郵便で遺留分侵害額を請求しました。
活動の結果
その結果、Yから指定口座に任意の支払いを受け、無事、取り込まれた母のお金を取り戻すことができました。
Xさんは、きちんとした結論を得ることができ、満足するとともに、ほっとした様子でした。
解決のポイント
親と同居していた親族が、親のお金を生前から死後にかけて引き出し、自分のために使ったり、保管したりする例は後を絶ちません。
親のお金を取り込んだ側の理屈は、「跡取りだから」、「親の世話をしたから」、「親がくれた」など様々です。
こうした場合、交渉で解決できないと、民事訴訟を提起しなければならなくなり、手間暇費用がかかります。
この点、当事務所は、相続案件の豊富なノウハウに基づき、交渉のみで、任意の支払いを受けることに成功しました。
親のお金を取り込まれた方は、当事務所がお役に立てるかもしれませんので、お気軽にご相談ください。
最終更新日 2022年2月13日