遺産分割協議書に不備があり相続登記ができないため、証書真否確認訴訟を提起し、勝訴判決を得て、相続登記できた遺産相続解決事例

ご相談

Xさん(60代、男性、無職)は、きょうだいYとの間で、税理士が用意した遺産分割協議書に調印したものの、その協議書に不備があるとして、法務局において相続登記ができませんでした。

そこで、Xさんは、司法書士事務所に相談したところ、司法書士事務所が用意した不備のない遺産分割協議書に改めて調印するようアドバイスを受けました。

Xさんは、Yとの間で、司法書士事務所が用意した遺産分割協議書に調印しようとしましたが、Yから拒否されてしまいました

Xさんは、その後も司法書士事務所にたびたび相談しましたが、解決できなかったことから、困り果てて、当事務所に相談しました。

弁護士と他士業との違い

当事務所の活動

当事務所は、Xが話す登記申請不受理の理由があいまいであったことから、まずこれを分析しました。

すると、税理士が用意した遺産分割協議書について、①成立の真正の立証と②内容の確定可能性の2点が問題となりうることがわかりました。

司法書士事務所は、所有権確認の訴えにて勝訴判決を得れば登記が認められると主張しましたが、当事務所は、①は認められても、②が認められないおそれがあれば、勝訴判決を得られないので無意味と考えました。

また、当事務所は、税理士が用意した遺産分割協議書について、①に問題があるだけであれば、司法書士事務所が用意した遺産分割協議書を調印するのは、すでに完了した遺産分割を再度行うに等しく、法的に問題があると考えました。

当事務所は、②について、法務局が正確にはどのような見解を持っているのか、司法書士事務所を通じて確認しました。

すると、法務局は、②について、税理士が用意した遺産分割協議書のみならず、他の資料を併せ考慮することで、クリアすることができるとのことでした。

そこで、当事務所は、所有権確認の訴えではなく、税理士が用意した遺産分割協議書について、Yを被告として、証書真否確認訴訟を提起することにしました。

活動の結果

その結果、Yが争わなかったことから、税理士が用意した遺産分割協議書の真正な成立を確認する判決を得ることができました。

Xさんは、判決書にもとづき、晴れて相続登記を経ることができることになりました。

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解決のポイント

遺産相続は、他の分野に比べ、法的に難しい問題が散見し、弁護士には、事案の分析力と法的解決力が一層求められます。

この点、当事務所は、遺産相続に関する豊富な経験に照らし、登記申請不受理の原因を正確に突き止め、適切な法的手段を選択することで、Xさんの長年の懸案である相続登記を実現することができました。

また、本件は、人との接触を控える時期でしたが、初回相談から終了打合せに至るまで、Xさんと1度も直接面談することなく、終始テレビ会議を利用することで、感染リスクを低減させることができたことも特筆されます。

 

ご相談の流れ

最終更新日 2024年9月16日

この記事の監修者
弁護士・監修者
弁護士法人ひいらぎ法律事務所
代表 社員 弁護士 増田 浩之
東京大学経済学部卒。姫路で家事事件に注力10年以上。神戸家庭裁判所姫路支部家事調停委員。FP1級。

最終更新日 2024年9月16日

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